サステナブル経営|経営者メッセージ
ヌヴォトングループ会長
蘇源茂
ヌヴォトングループ会長
私たちは、2021年と2022年に供給不足に直面し、戦略的な調整を行いました。これは、ビジネスのレジリエンスを高めるための取り組みであり、隠れたチャンピオンになるための旅路に終着点はありません。台湾と日本の献身的な従業員は一丸となって、株主に最大限の利益をもたらし、社会と国に利益を還元するために努力をしています。私たちは多様な製品ポートフォリオを持ち、 8つの事業グループにわたって事業展開をしています。そのうちの3 つは台湾にあり、6インチ ウェーハ工場も含みます。日本には、5つの事業グループがあり、様々な製品をもつ独自の利点を活かしています。
2023年は、市場全体の縮小と厳しい経済環境に直面しましたが、チームはたゆまぬ努力を続け、ヌヴォトンの 8 つの事業グループにわたる多様なポートフォリオにより、多様な製品をもつことによる独自の利点を活用できるようなりました。将来的には、市場シェア、グローバル化、顧客との密連携など、隠れたチャンピオンの実現とビジネスのレジリエンスを結び付ける重要な要素に注力していきます。
市場の不確実性に直面して、私たちは市場シェアを強化することに全力で取り組んでいます。それによって製品ラインの競争力を強化し、ビジネスの安定性と予測可能性を確保していきます。グローバリゼーションはチャレンジと機会の両方をもたらします。多様な製品の提供によって、私たちの世界的な存在感が拡大します。グローバルなブランドを構築し、当社の幅広い製品ポートフォリオを活用して事業機会を最大化します。お客様は私たちの成功に不可欠であり、ヌヴォトンの価値はステークホルダとのコミュニケーションから生まれる革新的なアイデアによってもたらされます。お客様のニーズに注意深く耳を傾け、その期待を超えることで強い関係を維持することが当社の戦略の根幹です。
私たちは自社の運営力の維持に努めるとともに、2023年から社内外の力を統合して社会貢献と気候変動への配慮に重点をおき、4E(エンパワード、エンゲージド、教育、環境)を推進しています。 「社会福祉、地域貢献、人間教育、環境保護」を軸として、周辺地域との交流やコミュニケーションを続けていきます。ネットゼロの取り組みを続け、CO2削減の大目標を達成するためにリ積極的にリソースを投入しています。また、外部のパートナーとリソースを組み合わせて社会的な影響力を発揮していきます。更に、コーポレートガバナンスを継続的に強化し、健全な内部統制システムを構築し、このサステナブルレポートを通じて、私たちのパフォーマンスとエネルギーをさまざまな側面から説明します。私たちはステークホルダの皆様に寄り添い、ネットゼロの未来に向けて努力を続けてまいります。
NTC社長
楊欣龍
NTCJ社長
小山 一弘
NTC社長/NTCJ社長
ヌヴォトンテクノロジー社長
2023 年、私たちは世界的な市場の変動と景気後退に直面しましたが、レジリエンス力とチームワークによって、困難を乗り越えることができました。 今後、我々は以下の取り組みをすすめていきます。
変化する風景に適応する
私たちを取り巻く世界は急速に進化し続けているため、2024 年は、私たちは競争優位性の強化、内部プロセスの最適化、生産性向上を最優先に取り組みます。
市場に近づく、顧客に近づく
より緊密なパートナーシップを構築することで、お客様のニーズやご要望により迅速に対応することを目指します。顧客中心のイノベーションが当社の指針となります。先進的な製品と技術を開発し、長期的な競争力を強化するためにリソースの配分を調整します。
スピード重視、成功重視
急激な変化に対応するために、機敏で大胆な行動をとり、スキルを高めて、強みを追求し、自らの限界を押し広げていきます。
この方向性のもと、製品開発で継続的にイノベーションを進めながら、電気自動車、スマートマニュファクチャリング、クラウドコンピューティング、新エネルギー関連のソリューションなどの分野へも積極的に進出していきます。これにより当社の製品ポートフォリオを最適化し、イノベーションや技術開発で我々の実力を発揮しています。また、研究開発やイノベーションを製品のサステナビリティな社会への変革に向けた原動力と考え、先進技術の研究開発を通じて、原材料の節約、製品の動作効率向上および消費電力低減を実現します。例えば、新しい32ビットマイクロコントローラは一世代前に比べ、その体積が40%も小さくなり、動作時電力と待機時電力がほぼ半減し、省電力と小面積という優位性が実現されました。我々の製品イノベーションの成果は、多く評を得ており、中でも高性能なNuMicro® M467シリーズのマイクロコントローラはネットワーク通信と強力なハードウェア暗号化の機能を備え、Skymizerニューラルネットワーク技術と最適に組み合わされ、組込みシステムにおける機械学習のために最適な推論性能を提供しています。この製品はEE Awards Asia 2023で年間最優秀MCU/ドライバIC製品賞を受賞しました。私たちはこれからも事業の成長を追求しながら、グリーン製品やグリーン製造プロセスを発展させる道を真剣に歩み続け、設計を通じて製品の効率を高め、環境への影響を軽減します。「人間の生活を豊かにする、グリーン半導体技術の見えないチャンピオン」という事業ビジョンを掲げ、長期的戦略と事業展開を計画します。そして、顧客、投資家、株主、従業員といったステークホルダに責任あるフィードバックを行い、当社のサステナブル経営の目標を実現していきます。
ヌヴォトンテクノロジージャパン社長
2023年のサステナビリティ報告書では、初めてNTCJが組み入れられています。2020年に、ヌヴォトンは60年の歴史があるパナソニックの半導体事業を譲受し、グローバルな研究開発に注力しています。事業譲渡後は、NTCJをグローバルな運営の拠点として位置付け、財務、研究開発、品質、環境・労働安全衛生、人事などの統合に取り組んでいます。日本の従業員も積極的に参画し、環境、顧客、社会貢献という三大主軸を実践してきました。2030年にはスコープ1とスコープ2に含まれる排出量を2020年より50%以上も低減し、サプライヤと協力しスコープ3の削減も進めていきます。また、より小型で低消費電力の、高効率なグリーン製品の研究開発をすすめ、2025年までに新製品のエネルギー消費量を15%以上削減することを目指します。私たちは地域社会と共に清掃活動を行い、奨学金や教育ローンにより潜在的な優秀人材をリクルートし、将来的には障がい者雇用率も向上させて、社会に対する私たちの重視度と配慮を具体的に示していきます。
NTCサステナビリティ
委員会
委員長/ 副総経理
林光論
NTCJサステナビリティ委員会
委員長/ コーポレート戦略室室長
中西直樹
サステナビリティ委員会委員長
ヌヴォトンテクノロジー サステナビリティ委員会 委員長
ヌヴォトンは2050年までにネットゼロエミッションという長期的な削減目標の実現に向けて、短期・中期・長期的な目標を定め、ネットゼロエミッションという世界の潮流に対応してます。また、エネルギーマネジメントシステム(ISO 50001)の認証を取得し、エネルギーの管理により系統的で遡及可能な省エネルギー計画を立て、電力の使用過程で石油化学製品の燃焼により間接的に排出される二酸化炭素を削減しています。また、スコープ1とスコープ2について運営と製造フローを見直し、温室効果ガス(以降、GHGと表記)の処理設備を増設して、エネルギー消費量やエミッションの削減と稼働効率の向上を図るとともに、自社における再生可能エネルギーの容量を積極的に向上させ、設置済みの太陽光発電システムで年間880,000kWhのグリーン電力の発電を見込んでいます。私たちは、スコープ3についてもサプライヤと持続的に連携しながら、サプライチェーンにおけるGHG排出のデータを収集しています。製品の性能を向上させるだけで、顧客の製品使用時の消費エネルギーの低減に貢献し、省エネ・脱炭素という目的を達成します。ヌヴォトンはこの脱炭素の道を一人だけではなく、バリューチェーンのパートナーと共に歩むことを望んでいます。
ヌヴォトンは「人間中心」という精神の元、サステナブル経営で最も重要な資本は人材であると考え、人材の育成と成長を重視して、人にやさしい職場づくりに取り組み、安全かつ健康的な労働環境を従業員に提供しています。また、人事制度の整備やリソースマネジメントシステムの最適化などの取り組みを通じて、人中心という企業文化を持続的に伝え、ヌヴォトンに対する従業員の信頼感を向上させています。
サステナビリティの実践はとても長い道程ですが、ヌヴォトンはグリーン半導体技術を活かして人々の暮らしを豊かにし続けます。また、脱炭素の取り組みを積極的に推進し、ESGの理念に注目している多くのパートナーと共に前進し、サステナビリティを実践するグリーン企業となるために努力していきます。
ヌヴォトンテクノロジージャパン サステナビリティ委員会 委員長
NTCJでは持続可能な社会の実現に向けて、環境、社会、ガバナンス(ESG)活動に取組み、社会から信頼され続ける企業を目指しています。2023年には、活動の初年度として、まずNTCと連携してサステナビリティ活動の推進体制を構築しました。7つのワーキンググループを設立し、台湾と日本が一緒に活動を推進し、活動内容とその成果を、NTCグループとしてすべてのステークホルダーに開示し、理解と信頼の得るようにします。
短期・長期の目標を定め、ワーキンググループの定期的な連携会議を通じて、各活動の進捗を共有することで、台湾と日本の双方が企業の持続可能な経営に向けた一貫した方向性を確立することを目指しています。この活動を拡げることで、常にリスクと機会を同時に把握することができるよう努めています。
私たちには明確なビジョンがあります。
「グリーンな半導体技術で人びとの生活を豊かにするHidden Championになる」
ESG活動を通してこのビジョンの実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。